コイルセンター用語集

鉄鋼流通業界で日常的に使用されている用語を抜粋して掲載しております。

あ行 / か行 / さ行 / た行 / な行 / は行 / ま行 / や行 / ら行 / わ行



あずかり[預かり]/
自社所有のものではなく、取引先から無償で提供され保管・管理を依頼されたもの。賃加工の母材・製品に使われる場合が多い。
<類>預かり材
あついた[厚板]/
板の厚さが一定以上の範囲のものを指す。一般的には6.0ミリ以上を指す場合が多い。
<反>薄板
ありきり[有り切]/
レベラー加工で母材を全て加工する加工方法。指定した寸法で最後まで母材を使い切る加工指示。
<同>全量加工
あわせこんぽう[合わせ梱包]/
板でサイズの異なるものまたは同サイズではあるが異なる母材から加工されたものを同じ梱包に入れること。同一梱包等加工指示にて指定。
<同>XPACK

いたあつ[板厚]/
鋼材の板の厚みのこと
<類>板幅・板長さ、幅・長さ
いたあつこうさ[板厚公差]/
板の厚みの許容範囲。呼び呼称値に対する仕様的に許容される範囲の最大値および最小値。
<類>寸法公差
いたくかこう[委託加工]/
自社が受けた注文について、他の会社に加工を依頼すること。
<反>受託加工
いたどり[板取]/
ユーザ(需要家)から受けた注文をどの母材を使用してどのように加工するか決めること。人手で行なう場合と、システムによる自動板取の場合がある。

うけはらい[受払]/
①先物契約申込に使用する資料、前々月末在庫・前月の入荷・払出と契約財源から、翌々月までの使用予定を考慮して、財源の過不足を算出した表。②鋼材の受入・払出の履歴・顛末を指す。
うすいたさんぴん[薄板三品]/
熱延・冷延・表面処理の品種をまとめて表す。例:「我社の主力扱い商品は薄板三品である。」
うりかい[売買]/
同一取引先に対し、母材を仕入(買い)、加工した製品には仕入単価+加工賃をのせて売上げる商売形態。

えいぎょうそうこ[営業倉庫]/
ミルから出荷された母材を保管する倉庫。
<類>中継地
えんとつ/
コイルの梱包形態でコイルを横に倒し寝かした状態。ネカセとも呼ぶ。下にスキット(台木)を付ける場合が多い。横から見ると煙突状に見える。
<類>ネカセ・アイアップ <反>土管

おおぎり[大切]/
シャーリング加工で、一枚の板から異なるサイズを取り合わせる場合や、歩留まり向上の際に使用される加工方法。一旦仮のサイズに切断することを大切、その後に製品寸法に切断することを小切と呼ぶ。
<反>小切
おきばわたし[置場渡]/
製品をコイルセンター工場または倉庫で客先に引き渡すこと。
<反>持込渡

がいけい[外径]/
1コイル単位の直径。コイルの外径の最も大きな直径の長さのこと。(内径+コイル肉厚*2でも求められる)
<類>内径
かみまき[紙巻]/
コイルにトイレットペーパー状の紙を巻いたもの
<類>ゲートル巻き
<反>裸
がんぐすりったー[ガングスリッター]/
板をスリッタと同様な刃に通して切断する加工設備、加工方法。
<類>ギャングスリッター

きりいた[切り板]/
板状になった鋼材のこと。レベラー加工を経た製品を大板と呼びシャーリング品と分けるために「切り板」と呼ぶ場合もある。

くれーん[クレーン]/
工場内で鋼材を運搬するための装置の名称。鋼材を吊り上げ、吊り下げたり移動する。

けいやくざん[契約残]/
高炉メーカーで引受けた契約量に対して、まだ納入されていない残りの量のこと。その量によって発注量を調整する。
けっそく[結束]/
複数の製品をバンドで束ねて1梱包単位にしたもの。
けっそくばんど[結束バンド]/
結束をする結束帯鋼。
<同>ベーリングフープ

こうさ[公差]/
呼び呼称基準値に対し許容される範囲の最大値および最小値との差を許容差、その最大値と最小値の差のこと。
こぎり[小切]/
シャーリング加工で、一枚の板から異なるサイズを取り合わせる場合や、歩留まり向上の際に使用される加工方法。一旦仮のサイズに切断することを大切、その後に製品寸法に切断することを小切と呼ぶ。
<反>大切

さきものけいやく[先物契約]/
鋼材を使用する約3ヶ月前に鋼材の価格・寸法・数量等を鉄鋼メーカーと契約すること。
サブゼロ処理[さぶぜろしょり]/
焼き入れ後すぐに0℃以下(実際には-80℃ぐらい)に急冷する処理を指す。鋼に関しては焼き入れによる硬化(オーステナイト組織→マルテンサイト化)をさらに進めるために残留するオーステナイト組織を除去する処理のことで、時効変形を防ぐ効果がある(「深冷処理」ともいう)。
さぶろく[3’×6’板]/
定尺板の中で巾914ミリ×長さ1829ミリの板を指す。3尺×6尺であることからサブロクバンと呼ばれる。
ざんざい[残材]/
コイルを加工した後に、残った鋼材を指す。より小さなサイズの注文が入った時は、再度加工を行なう。一定期間を経過しても注文がない場合は、スクラップとして廃棄する。
さんせんしあげ[酸洗仕上げ]/
鋼材の表面状態を示す用語の一つで、硫酸、塩酸またはその他の酸溶液に浸して、表面のスケール、さびなどを除去したものを指す。(英)Pickling
ざんはば[残幅]/
残材と同義。

しはち[4’×8’板]/
定尺板の中で巾1219ミリ×長さ2438ミリの板を指す。4尺×8尺であることからシハチバンと呼ばれる。
ステンレスでは一般的に巾1219ミリ×長さ2438ミリの板、伸銅品、アルミでは巾1250ミリ×長さ2500ミリを指す。前者を小シハチ、後者を大シハチということもある。 
しぼり[絞り]/
引張試験で破断した材料片の最小断面積Aと最初の断面積Aoとの差(小さくなった面積)を最初の材料片断面積Aoで割った百分率%。
しぼりかこう[絞り加工]/
缶や鍋のように底のある容器を素板から押し出す加工法のこと。深絞りの場合は数回に分けて再絞りされる。また壷のような曲面の加工は、へらや型を使うへら絞り(spinning)という方法もある。
しぼりようこうはん[絞り用鋼板]/
自動車部品、電気機械部品、車両、建築部材その他、冷間成形性を重視して製造された薄鋼板。
しまいた[縞板]/
「チェッカープレート」ともいう。板の片面に凸模様のすべり止めをつけた板で、縞溝のある圧延ロールで圧延する。ちなみに板厚は凸部ではなく平面部の厚みをいう。
しゃみせん[三味線]/
荷さばきのための木製の道具。鉄板の上げ下ろしに使う。
しょっとぶらすとしあげ[ショットブラスト仕上げ]/
鋼材の表面状態を指す用語の一つ。高速でショットを投射し、表面のミルスケールやさびなどを除去したもの。
じょうこう[条鋼]/
各種形鋼および線材・レールなどの線状鋼材、またはこれらを加工して作られるボルトやくぎ、PC鋼棒、ワイヤーといった線状の二次製品の総称を指す。
じゅようか[需要家]/
ユーザーとも言う。コイルセンターへ鋼材の加工の注文を行う企業を指す。
じょうすう[条数]/
スリット加工を行う際に、1つのコイルから分割できる数のこと。多ければ多いほど、効率的な加工ができる。

すきっと[スキット]/
加工して出来た鋼板を梱包するさいに際にフォークリフトの歯が入るように、鋼板を載せる台。スキットの材質には木製、鉄製などがある。
すくらっぷ[スクラップ]/
くず鉄とも言う。加工の過程で発生する鉄の廃棄物のこと。溜まったスクラップはスクラップ業者が買い取る。また、残材として保管していたものを、一定期間を経過した後にスクラップとして処分することがある。
すくらっぷたんか[スクラップ単価]/
スクラップ業者がスクラップを買い取る際に設定する単価。市場の状況により変動する。






だるしあげ[ダル仕上げ]/
冷間圧延鋼板および鋼帯の表面状態を指す用語の一つ。冷間圧延ロールの肌を粗くし、鋼板の表面を梨地状の光沢のない状態に仕上げたもの(梨地仕上げまたはつや消し仕上げともいう)。
たまがけ[玉掛け]/
コイルなど重量のあるものを運搬するために、ワイヤーロープやベルトなどを掛けていくこと。玉がけを行なったあと、天井クレーンなどで持ち上げ運搬を行なう。


ちゅうはん[中板]/                                               
一般的には鋼板のうち、3mm以上6mm未満のものを指す。                             
ちんかこう[賃加工]/
ユーザーから無償で母材の提供を受けて加工を行い、ユーザーへは加工賃のみを請求すること。             


つうはん[通板]/
スリット加工やレベリングを行う際に、コイルを機械に通すこと。                          


ていじゃく[定尺]/
長さや幅などが予め決まった標準サイズとなっている商品。標準寸法と同義語だが、より集約化されている。鋼管、鋼棒、形鋼などは長さに対してのみ使用する。代表的な定尺板は 3’×6’板(サブロクバン板)、4’×8’板(シハチバン)等がある。
てーらーどぶらんく[テーラードブランク]/
種類や厚さ異なる複数の鋼板を溶接して1枚の板とする技術。
でんきあえんめっき[電気亜鉛めっき鋼板]/
亜鉛めっき加工された鋼板のうち、めっき槽に鉄をつけて、電気を介して亜鉛がめっきされたものを指す。
てんじょうくれーん[天井クレーン]/
クレーンの一種で、建屋の両側の壁に沿って設けられたランウェイ(走行軌道)を走行するもの。コイルセンターではコイルの運搬作業などに使用する。




ないけい[内径]/
コイル内部の空間部分の直径。                                       







ねかせ[ネカセ]/
コイルを倒して、コイルの側面が床(地面)に平行になるようにしたもの。                      <同>ドカン、ねかせ梱包




はいかんようこうざい[配管用鋼材]/
気体、液体などの輸送用の配管に用いられる鋼管。
はいてんざい[ハイテン材]/
高張力鋼、高抗張力鋼とも呼ばれる。建築、橋、船舶、車両その他の構造用および圧力容器用として、通常、引張強さ490 N/mm2以上で溶接性、切欠きじん性および加工性も重視して製造された鋼材。自動車用冷延鋼板では引張強さ340 N/mm2以上を高張力鋼という。
ばーいんこいる[バーインコイル]/
棒状に熱間圧延された鋼材で、コイル状に巻かれて供給されるもの。主として直線器にかけてひき伸ばし、コンクリート補強用鉄筋として使用される。
はぐみ[刃組]/
スリット加工を行なう際に、スリッターの機械に取り付ける刃の組み合わせのこと。
はいしゃ[配車]/
加工した製品を出荷する際に、車を手配すること。
ばり[バリ]/
スリット、せん断、打抜き、のこ(鋸)切断などの作業によって切断部に生じる薄い突起。


ひもつき[紐付]/
高炉メーカーとある一定の条件と価格を定めて契約した鋼材のこと。価格は店売りに比べて割高な場合が多いが、期間内は安定した供給が保証される。


ふかしぼりようこうはん[深絞り用鋼板]/
薄鋼板のうち冷間での良好な深絞り加工性、および絞り加工後の表面の肌荒れ防止を重視して製造されたもの。自動車、電気機械部品などで使用される。
ぶどまり[歩留まり]/
母材から製造される量の割合。生産性を判断する際などに使用される。
ぶらいとしあげ[ブライト仕上げ]/
冷間圧延ステンレス鋼板および鋼帯の表面状態を示し、研磨した冷間圧延ロールで圧延し、鋼板の表面を平滑で光沢のある状態に仕上げたもの。 
ぶらんきんぐ[ブランキング]/
コイルあるいは鋼板を型で打ち抜き、複雑な形状の板を生産する加工方式のこと。ブランキングに使用する金型は、需要家から提供される場合が多い。
ぶんかつ[分割]/
スリット加工で一つの母材から巻き取る量を複数回に分けて巻き取ること。シートの場合は一つの梱包を複数に小分けすること。


べーりんぐふーぷ[ベーリングフープ]/
リボン状の鉄製結束用具。鋼板の梱包時にズレや瑕を防ぐために取り付けられる。                   
<同>結束バンド
へいたんど[平坦度]/
板のたいら(フラット)を表す指数。                                       


ぼうこう[棒鋼]/
棒状鋼材の総称。例:熱間圧延棒鋼、鉄筋コンクリート用棒鋼。
ぼざい[母材]/
スリット加工や、レベラー加工を行う際に使用するコイルのこと。加工元の素材。
ほっとこいる[ホットコイル]/
薄鋼板の一種で、スラブを加熱しながら薄く引き延ばして巻き取ったもの。自動車、家電など幅広い産業で使用されている。
ぼんでこうはん[ボンデ鋼板]/
亜鉛の電気めっきをした薄鋼板に、リン酸鉄と酸化マンガンを用いた化学的防食を施したもの。塗膜の付着が良く耐食性に優れる。


まきもどし[巻き戻し]/
母材を全量加工せずに1部使用すること。                                     


みせうり[店売]/
販売店が最終的な売り先を決めず、高炉メーカーから鋼材を購入する鋼材。市場の状況により価格が変動する。また、品薄となり必要な量を確保できないリスクがある。
みぞがたこう[溝型鋼]/
コ形の断面をもつ形鋼。チャンネルともいわれる。曲げ応力を受けるとねじれが伴うので二丁合わせてH形で使用されるか、間柱や小梁などの二次部材として使用されることが多い。
みみ[耳]/
コイルを加工する際に、幅を均一にするために切り落とす両端部分のこと。
みりたんじゅう[ミリ単重]/
コイル単重をコイル幅で除した1mm幅当たりの質量。単位は[kg/mm]で表す。
みるえっじ[ミルエッジ]/
鋼板、鋼帯のエッジの一種で、圧延によって自然にできたエッジそのままで切断されていないもの。
みるしーと[ミルシート]/
鉄鋼メーカーが、規格が指定された鋼材を受注した場合に、その製造結果が指定された規格などの要求事項を満たしていることを証明した書類のこと。一般に「ミルシート」と呼ばれるが、正式名称は「鋼材検査証明書」(Inspection Certifcate)、又は単に「検査証明書」と言う。 発行者は、慣例としてその製品を製造したメーカーの製造箇所の品質管理部門が行う。




めっき[メッキ]/
表面処理の一種で材料(金属など)の表面を金属の薄膜で覆うこと。金を水銀に溶かす際に「金が滅する」ところから「滅金」と呼ばれていたが、後に「鍍金」が使われるようになり、読み方も「ん」が失われて「めっき」となった。




やまがたこう[山形鋼]/
L形断面をもつ形鋼。構成されるふたつの材の板幅(突出部)の等しいものを等辺山形鋼、等しくないものを不等辺山形鋼といい、アングルともいわれる。ねじれに弱いので組立材や筋かいなどに使用される。




ようゆうあえんめっき[溶融亜鉛めっき鋼板]/
鋼材の防錆処理の一種で、鋼材の表面に亜鉛の合金層を形成することで、亜鉛の犠牲的防食作用により鋼材の腐食を抑制すること。俗称としてどぶづけ、テンプラなどと呼ばれる。




りこいらー[リコイラー]/
スリッターのコイル巻取り箇所。                                         




れべらー[レベラー]/
原コイルを、巻き癖などを矯正して平坦な形状にし(レベリング)、一定の寸法の鋼板に切断すること。コイルセンターで最も基礎となる加工。
れいえんこいる[冷延コイル]/
ホットコイルを常温の状態で圧延し、更に薄くして巻き取ったもの。めっきなど表面処理が行なわれてから出荷されるものが多い。薄板鋼板の母材となる。




わいやーかっと[ワイヤーカット]/
走行する直径0.02ミリ~0.35ミリのワイヤ電極(黄銅線)と加工物の間で放電させ、糸のこのように複雑な輪郭形状のものを切り抜く加工方法である。加工液は一般にイオン交換樹脂を通した純水を使用する。